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<美女妖怪に気をつけろ。>
1月29日。土曜PM:11時50分大町通り>
街中の客待ち時間は、一時間も掛かる時がある。
ようやく俺の番に来た時、どう見ても不釣合いの男と女が近づいてきた。
その男は、職人風(靴はカジュアル。綿のズボンにセーター&ジャンパー。)40代。女は、見るからにキャバクラ嬢30代。すんなりとした姿態は、無知な男を狂わせる樹液を漂わせていた。
客待ちタクシーに乗車するお客さんは、必ずと言っていいほど運転手に視線を送る。別に、イヤラシイ目線ではない!「乗りますよぉ〜!」という意思表示なのだ。ところが、この女は、目線を送りながら何故か?頷いたのだ。昔の俺を知っているのかと、一瞬我が心の中を検索したが思い当たらない!すかさずドアーを開ける。しかし、直ぐには乗車せずに話し込んでいる。正確に申せば、たらし込んでいるのだ。「今度いつ来てくれるの?」「待っているわ!」「お店以外でも逢いたいの!」「アパート暮らしなら何時でもいいんだけど」等など、甘い鼻声(特にNHKの女子アナに多い。でも好きだけど!)でノタくっていた。いい加減にしやがれと、喉元まで出掛かったが此処は我慢のシドコロだ。
ようやく車中に乗ったと思ったら、今度は「タクシー代お願いできる?」「実家から通っているから少し遠いんです!」男は、二千円を差し出したら、「両手で懇願!」そして5千円札一枚を受け取った。(人事ながら一万円冊かとドキッ!)此処までなら、よくある光景なので俺も許せますよ!
しかし、走り出して直ぐに女は豹変した!
「つけられていないか確認して!」「しつこいのよぉ〜あの男!」「ストーカーされたら困るから」そう言いながら、無理な車線変更(甘んじて言われるままに!)を指示しながら男の姿を葬り去った。この女が降りるとき、熟女魚との会話を思い浮かべるセリフがあった。「ねぇ。○○さん!今日はゴメンね・」「今度乗る時には、ちゃんと家まで送ってもらいますからね!」馴れ馴れしくも、こうノタまったのである。確かにスレンダーな美女には違いない。初対面の俺に際して、乗務員カードの名前を知らず間に読み取って投げ掛けてくるのだから、まさに男コマシの天女であろう。
今宵も、野良猫ブン太(菅原文太に似ている!)が、我が車の下を通り抜けて路地裏に消えた。旨いご馳走に巡り合えたのだろうか。そんな思いを胸に秘めながらAM:1:30分帰社。厳寒の冬空は氷点下5度、意外にも晴天だった。
◆つづく。
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