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「鉄の贈り物」
◆ルアーフィッシングを始めて、10年足らずと経験豊富とはトテモ言えないが、魚種によって色好みしているのではないかと疑問を抱いた。以前、渓流でイワナを狙っていた頃は、剥き出しのG地金(真鍮下地色)に大雑把な黒や緑の単色系が多かった。
早春期の本流岩魚も同じく、アンダーカラーをメインにヒットをモノにしていた。処が...である。実績あるヒットルアーをセレクトしていても、6月に入るとヤマメのアタリはピタリと停止してしまうのだ。ルアー覚えたての頃は、トラウトに効果のあるヒットルアーと聞けば、ミノー&スプーンに限らず即座にテスト収集。
しかし、実釣を積み重ねていく内に、実績と比例して浅はかな思惑はドンドン外れていく。その時、時季により水中で何かが変化するのではないかと感じていた。相手の心中を察する心得は、己を捨てて対する元に心移すことなり。

「渓流と春の本流」
◆5月。渓流の流れは、山々の雪代水を集めて日増しに激しくなる。
やがて、ブナの芽吹きが山麓に到達する頃には、本流の水量も落ち着き透明度が極めてクリアとなってくる。イワナに限らずヤマメが主に食しているのは、1pにも満たない水生昆虫だ。
渓流との違いは、春の本流筋にはクチボソ等の小魚が群れている事ぐらいだった。イワナ狙いの場合には、春から初夏。産卵期を迎える初秋に掛けても、ヒットルアーの色彩に変化は殆ど見られない。しかし、初夏を迎えた本流山女魚に限って大きく異なることに注目した。
◆通い慣れたポイントは、一目でその活性が判断できる迄になっていた。水位と水色から判断して、確実に着いている確信がもてる。本流筋のキャストフィールドは、背頭と中流域。そして、その流れがオープニング(展開)する瀬尻となる。
そのポイント形成範囲は、30m〜50mと範囲が広い。
6月上旬頃は、最後部のオープンフィールド付近で、クルージング(テリトリー遊泳)している事が多く見られる。水温が15度を越す中旬になると、活性力が増す中流域に進出。この時期から、大山女魚の独壇場となってくるのだ。メインステージで、熟女魚とのマッチプレーとなるが、ある程度の経験(勉強代)を積まなければ、イザと言うとき役立たずと罵られる事になる。
「擬餌鉤とは何ですか。」
◆日本には、古くからテンカラ毛鉤釣りがあり、西洋にはフライフィッシング(毛鉤釣り)があった。その違いとは。テンカラ毛鉤は、十尺程の竿に長さ分の縒り糸。その先端には、主に鶏のネック(首毛)を蓑毛にした虫鈎を用いて、イワナや山女魚を食料として釣り上げていた。その釣り方は、狭い日本の渓流に合い相した釣り方であり、水面に浮かす。打ち込み動かす。水中を引き回す等、渓魚を惑わすためにあらゆる手立てを駆使する。
◆それに比べて、西洋のフライフィッシングとは、短い竿(3m以内)にラインをストックするリールが取り付けられている。ラインの長さは、約30ft。フライ(毛鉤)を遠くのポイントにキャスティング(投的)するので、フライそのものに動作能力を保持させている。
分かりやすく言えば、ドライフライ(水面に浮くもの)。ウエットフライ(水中を泳ぐもの)。ストリーマ(小魚を模したもの)と、区別されている。詰まり、トラウト(鮭鱒属)にマッチング(合理的)したフライを選定して全てを託すのである。
もっとも、一番の相違点は食するために釣り上げるのと、全てがスポーツゲームとしての位置付けでは、大きな違いが生じてしまいます。獲物を確保する目的と、再放流するのとでは考え方の原点から異なりますので仕方ありません。

◆ルアーフィッシングは、小魚を模した形(ミノー)やスプーンの湾曲を利用して、水中を泳がせるものがある。その種類は、大きさや異なる形と色。フローティング(水面)とシンキング(水中)タイプ。それに重さがあり遠くまでキャストできるようになっている。是を総じて、昔から擬餌鉤と言われている。
<総論として。>
漁的に、そして趣の暮らしに違いは有れど、色彩を敏感に活かせる感性がなければ、夢の世界に入りこむ事はできないと思います。罪の無い詐欺師人生。是からが本番です。
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